最近、どうも元気がないとお悩みではありませんか?
大丈夫です。それはジジひとりのお悩みではありません。
現在、日本のED人口は1100万人以上と言われているんです。30〜50代の大半は中折れ、60代以上になると硬さ不足、最初からどうも、といった傾向も。
EDの原因になる高血圧や糖尿病の罹患率も、年齢に比例して高くなってくるとなれば、世のジジたちにとってED治療薬は頼みの綱になるはず。ところが、使用者は全世代でなんと1割程度なのです。
バイアグラ/ファイザー
これ、もったいない話じゃないですか? ED治療薬として最初に誕生したバイアグラは、元来、狭心症の薬として開発されていたものでした。臨床試験中、心臓ではなく陰茎の血の巡りがよくなったことから、ED治療薬として発売されるようになったもの。
医者の処方が必要な薬とされているため、「クリニックを受診するのが恥ずかしい......」これが普及率の低い理由なんですね。諦め悪く、ネットで検索しちゃうジジもいるかもしれません。
個人輸入の場合、処方箋がなくても購入できるんですが、ED治療薬4社合同調査結果(2016年)によると、ネットで販売されている4割は偽物だったのだとか。効果に大きな差があるだけでなく、健康被害の恐れもあるため、個人輸入は避けるのが賢い選択です。
さて。ED治療薬を処方してもらった人たちの満足度は高く、リピーターも多いのですが、錠剤の粒が若干大きい、隠しどころに苦慮する、というあたりでバレる〞といった不測の事態を招いてしまったジジも少なくないとか。いずれにしても、隠しどころはスマートにいきたいですよね。そんなジジに朗報です。
昨年10月、ファイザーから「バイアグラODフィルム」が発売されたのです。舌の上に乗せると口の中で溶ける、厚さ約0.2mmのフィルムタイプ!
水なしで服用可能で、いつ、どこにいても、ベストタイミングを逃すことはありません。ブルーの、薄いアルミ包装は、名刺入れやカードケースなどにさりげなく収まって、ED治療薬スマート化問題は、これで解決!
「バイアグラODフィルム」の登場で、改めてED治療薬に興味を引かれた人は多いのではないでしょうか。服用するにも知っておくべきことを、日本初のED治療薬処方専門医「新宿ウエストクリニック」の室田英明院長に伺いました。
「そもそもなぜEDになるのか。EDは大きく3種類に分類されます。心因性EDがいちばん多く、過去の失敗の記憶、夫婦関係の気持ちのズレやストレスが原因。定年後やりがいを失い、性欲が減退することでも起きます。
シアリス/日本新薬服用
二つめが器質性ED。高血圧、糖尿病、男性ホルモンの低下などが原因です。三つめは、心因性と器質性が混ざり合った混合型ED。ジジ世代は、性欲が減退していることに気づいていない人も意外と多い。性欲がないのにセックスをしようとするから、反応しないのです。
車に例えると、性欲はガソリンで精力はエンジン。ガソリンがなければ、高性能で高出力なエンジンも動きませんよね。ED治療薬は、陰茎の血管を拡張させて勃起を促すもの。今のところ、減退した性欲を高める効果は期待できません」
でも、性欲が強い人は精力もあるのでは?
「残念ながら答えはNOです。精力は性欲を実行する能力。精力が強い人は性欲が強いといえますが、逆に性欲が強くてもEDになるケースは多く、だから皆さん悩むわけです。この隙間を埋めるのが、ED治療薬なのです」
ED治療薬とは、やる気があるのにうまくいかないジジの味方なんですね。ちなみに、ED治療薬=バイアグラではなく、バイアグラは製品名。バイアグラの他にレビトラ、シアリスがあります。
「日本では1999年にバイアグラ、2004年にレビトラ、2007年にシアリスが発売されました。薬がない時代は、手術で棒状のシリコンを陰茎に埋め込んだり、血管を拡張する薬を陰茎に注射したりしていたのです。
それが、服用するだけでOKになったわけですから、バイアグラは世紀における革新的な薬剤のひとつだといえるでしょう。ED治療薬は服用後、性的刺激があって初めて勃起するのであって、性的刺激がなければ普通の状態です。ED治療薬が効いている間、勃起した状態が続くわけではないので安心してください」
レビトラ/バイエル製薬
気になるのは、副作用があるかないか、というところなのですが。「当院は16年間、初診の方だけで12万人以上の方にED治療薬を処方してきましたが、大きなトラブルはありません。バイアグラは、ニトロ系の薬と併用しない、重度の肝障害がある人はNG、レビトラは先天的に不整脈がある人はNG......など、注意事項はありますが、医師の処方で安全に服用すれば問題ありません。
バイアグラ等を服用すると、血管を広げる作用があるため、顔がほてったり、鼻がつまったりする症状が出る場合がありますが、一時的なことなので心配しなくて大丈夫です」
古くから強壮剤と信じられてきたマカとか高麗人参とか、すっぽんってありますよね。その効果ってどうなんでしょうか。
シルデナフィル「トーワ」(左・レモン味/右・コーヒー味)/東和薬品
「ED治療薬に比べると効果が分かりにくいというのが現状。ED向けの健康食品とバイアグラの効果の違いは、異次元レベルといえます。先の3種類のうち、バイアグラだけは同成分のジェネリック薬が数種類発売されているので、飲みやすさや、購入しやすさで選ぶことが可能です。ひとつの薬が効かなくても、他の薬が効くケースもあるので、飲み比べてみてください」
効果が曖昧でわかりにくいものでごまかし続けるのか、ED治療薬の力を借りて、バラ色の人生を選ぶのかは、あなた次第。
ED治療薬による未来が見えてきた段階で、おそらく、多くのジジの頭をよぎるであろう課題が、二回戦目はどうなの?
ということではないでしょうか。残念ながら、治療薬を服用したからといって、回数をこなす効果は期待があるわけではありません。なぜならば、回数を頑張れるかどうかは、まずジジのやる気〞がベースにあって、その上で、回復の早い人なら可能、ということになるからです。
つまり、性欲をいかに保てるかが、二回戦目の大きなポイント。よく、ED治療薬を服用すれば、何度でも?
と勘違いされることも多いようですが、何度も言うように、性的刺激がなければ、いたって普通の状態なのです。でも、そのやる気〞がねぇ、というジジの同胞には共感いたしますよ。
そのやる気〞に働きかける治療薬の開発が、業界の今後のテーマであることは明らかで、もう水面下で着々と研究が進んでいるとか、いないとか。メンタルにも効く次世代のED治療薬、それができたらその時が、次なるレボリューション。ひょっとしたら、間に合うかも。いつまでも、あるかもしれない、やる気と希望。皆さま、共に長生きしようじゃないですか。
文/山崎潤子
写真/村本祥一
イラスト/小澤怜
写真協力/ファイザー株式会社
新宿ウエストクリニック 室田英明院長 医学博士。2000年に日本初のED治療薬処方専門外来を開始。処方専門クリニックの先駆けで、現在もED治療薬は国内トップの処方数を誇る。
http://www.westcl.com